海野 幸典 うんの ゆきのり
   


はなちかふ 〇もあらぬを くさむらに
うまほひむしの こえそきこゆる 遊翁

花交う 〇も有らぬを 草むらに
馬追虫(=キリギリス)の 声ぞ聞こゆる 遊翁
15.4p×17.1p

寛政6年11月14日(1794年12月6日)生〜嘉永元年11月11日(1848年12月6日)歿
 江戸時代後期の国学者、歌人。信濃国滋野氏の末孫。江戸下谷に住んだ。本姓は滋野、名は幸典、通称は源兵衛、号は柳園、出家して遊翁を号した。
 出雲松江藩士、のち幕府御内人。小澤蘆庵の歌風を慕ってその門人であった前野黙軒に和歌を学ぶ。また、国学では本居宣長に私淑し、本居大平に師事した。また僧玄如を介して香川景樹とも対面し、景樹の倨傲に驚きながらもその実力に心服したむねの逸話を伝えている。幕末の江戸歌人として地位を築いていたが、歌学の実力は必ずしも高いものではなかった。小沢蘆庵の影響を受けた平易な歌風に特徴がある。
 家集に『柳園家集』がある。短歌のみならず、長歌・旋頭歌・今様を多く作った。文法研究・音韻研究などにも功績あり、特に「てにをは」などの語法に詳しく、『天言活用図』『五十音口訣』などの著書がある。他の編著に『現存歌選』『ただこと歌の弁』などがある。

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